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【2025年11月号】レアな迎香蜜香紅茶&坪林蜜香紅茶花生酥

「台茶○○号」という呼び方、聞いたことはありますか?


たとえば有名な台茶12号「金萱」や台茶18号「紅玉」。

これらはすべて品種名であり、ブランド名やお茶の分類ではありません。


お茶の木には多くの品種があり、それぞれに特徴があります。

人にさまざまな人種や個性があるように、お茶の品種もまた独自の香りや風味、栽培特性を持っています。そして、それぞれの個性に合わせて適した製茶方法が存在します。緑茶、烏龍茶、紅茶といった区分は「製茶方法」の違いであり、料理にたとえるなら、同じ魚でも刺身に向くもの、焼き魚に合うもの、蒸したほうが美味しいものがあるのと同じです。


また、お茶の木には自然に生まれた在来種と、人の手で品種改良されたものがあります。

「台茶○○号」と番号が付く品種は、茶業改良場で研究・改良されたもの。実験室で雄蕊と雌蕊を掛け合わせ、病気や虫害に強く、管理しやすく、生産量が多く、しかも美味しい…そうした理想を備えるように設計された品種なのです。

(違う品種の茶の木の掛け合わせは、GMOとはまた別です)


1969年に発表された台茶1号から、最新の2024年の台茶26号までを振り返ると、台湾茶の歴史と時代ごとの流行が見えてきます。初期には緑茶や紅茶向けの品種が中心でしたが、1980年代から90年代にかけては金萱や翠玉といった「香り高い」品種が発表され、包種茶や高山茶などの軽い発酵・無焙煎のお茶に仕立てられました。1999年に登場した紅玉は紅茶ブームを巻き起こし、やがてタピオカミルクティー人気につながり、今日に至るまで緑茶や紅茶が幅広く使われています。


その流れの中で2004年に登場したのが台茶20号「迎香」です。母に2022品系、父に青心烏龍を持ち、1962年に研究が始まってから40年以上を経て命名された品種です。もともとは清香型烏龍、つまり包種茶や高山茶向けに開発されたもので、茶業改良場の資料にも「包種茶・烏龍茶に適する」と記されています。そのため市場では、青心烏龍に似た蘭の花香を持ちながら、さらに強い花香を放つ烏龍茶として出回ることが多いです。低地でも栽培しやすく、成長が旺盛なため、青心烏龍の代替として人気を集めました。


562b671e-ae0b-49c8-97c9-6bbd49f23d95。授權人:國立台灣工藝研究發展中心。創用CC姓名標示-非商業性 3.0 台灣及其後版本(CC BY-NC 3.0 TW +)。來源:https://cmsdb.culture.tw/object/D37C83C3-2586-4E74-A89D-257C125C886F。
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しかし近年は、迎香を紅茶や紅烏龍に仕立てる動きも見られます。台湾茶の主流が紅茶や紅烏龍へと移行しつつあることを示しているのかもしれません。さらに迎香は、台茶19号「碧玉」と同じく植物品種権(品種権番号:第A00391号)を持っており、限られた育苗業者しか繁殖・販売できません。そのため、栽培面積も流通量も非常に少なく、市場ではほとんど見かけない希少品種といえるでしょう。


今回いただいた迎香紅茶は、幸運にもウンカに噛まれ、特有の蜜香をまとった「迎香蜜香紅茶」でした。ウンカに噛まれた茶葉は農薬を使わない、またはより少ないことの証でもあり、その独特の甘みや香りから人気が高まっています。

環境にやさしいお茶作りが広がっているのも、とても嬉しいことです。


その香りは、蜂蜜やきび砂糖のような甘やかさを基調に、ライチやパイナップルといった熟した果実の香り、さらにバラやジャスミンを思わせる華やかな花香が重なります。口当たりはなめらかで厚みがあり、はっきりとした甘みが印象的。余韻にはウッディーな深みと麦芽を思わせるやわらかな甘さが続き、飲み終えた後には心地よい潤いが口中に広がります。


希少な品種から生まれた特別な「迎香蜜香紅茶」。その一杯には、台湾茶の歴史と時代の移り変わり、そして自然との共生がぎゅっと詰まっていました。


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超レアなため、今回も数量限定でのご案内となります。

【月1の台湾茶通信】「ちょっと台湾」2025年11月号、応募受付開始!

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・台湾茶|迎香蜜香紅茶

1962年に研究が始まり、2004年に命名された迎香は、独自の香味で知られる品種。清香型烏龍に仕立てれば、余韻に花香が広がり力強い喉越しを残すが、紅茶に製するとその真価を発揮する。

蜜香紅茶では、蜂蜜のような甘い香りを基調に、ライチや桃といった熟した果実の風味、さらにバラやジャスミンを思わせる華やかな花香が重なる。口当たりは滑らかで厚みがあり、はっきりとした甘みが印象的。余韻には麦芽を思わせるやわらかな甘さが続き、飲み終えた後に心地よい潤いが広がる。

産地:新北・坪林

生産者:祥泰茶莊 製茶師馮明忠

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・茶菓子|蜜香紅茶花生酥

坪林産の蜜香紅茶をピーナッツと練り、水飴でピーナッツと紅茶粉の間に層を作り、ピーナッツバター・ピーナッツ粉・麦芽糖・砂糖・塩が織りなす甘みと塩味が絶妙に調和した、サクッとだが、すぐに溶けてしまう繊細で魅力的なお菓子。

ひと口目には濃厚なピーナッツの香りが広がり、やがて上品な蜜香紅茶の香りとまろやかな甘い余韻が口中に残る。


メーカー:祥茂糖菓工廠

原材料名:水飴、ピーナッツバター、砂糖、ピーナッツ粉、蜜香紅茶粉、塩

本品に含まれるアレルゲン:ピーナッツ


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ちょっと台湾|セット内容

A.今月の台湾茶(3回分)+月刊誌 NT$270

B.今月の台湾茶(1回分)+茶菓子(1回分)+月刊誌 NT$270

C.今月の台湾茶(3回分)+茶菓子(3回分)+月刊誌 NT$370


※単品購入・定期購入の選択可

■すべて税込・送料込

■今月号の月刊誌付き(台湾茶紹介、産地のストーリー、豆知識やレシピ、淹れ方動画QRコード、台湾音楽プレイリストなどが掲載)

★応募締め切り:9月20日まで

★期間・数量限定(先着100セット)

★9/30までに発送、10月上旬に日本のおうちに届く予定


応募専用ページ:

A.今月の台湾茶(3回分)+月刊誌 NT$270
A.今月の台湾茶(3回分)+月刊誌 NT$270
B.今月の台湾茶(1回分)+茶菓子(1回分)+月刊誌 NT$270
B.今月の台湾茶(1回分)+茶菓子(1回分)+月刊誌 NT$270
C.今月の台湾茶(3回分)+茶菓子(3回分)+月刊誌 NT$370
C.今月の台湾茶(3回分)+茶菓子(3回分)+月刊誌 NT$370

応募専用ページ:

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書名:台湾茶の教科書 現地のエキスパートが教える本場の知識

著者:林品君

発売日:2025年9月

仕様:A5判 並製 総160頁

定価:2,750円(10%税込)

ISBN:978-4-7661-4085-9

Amazon https://www.amazon.co.jp/dp/4766140850/

楽天ブックス https://books.rakuten.co.jp/rb/18344320/

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