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紅茶の美味しい季節になりました。11月は翠玉の紅茶を紹介します。

「台茶OO号」という名前の品種は、台湾の農業部の茶業改良場によって、何十年もの研究を経て発表された、台湾特有の茶の木の品種を指します。これらの品種には番号だけでなく、魅力的な名前も毎回付けられ、例えば台茶13号には「翠玉」という美しい名前がつけられました。

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1981年に発表された翠玉は、有名な金萱(台茶12号)と同じ時期に登場しましたが、金萱と比較して栽培される量は極端に少ないという現状です。金萱と同じく成長が早く、新芽や葉のサイズは昔から一番多く栽培されている青心烏龍種よりも大きいため、農業部は翠玉の栽培を奨励していましたが、栽培地が広がらなかった理由は主に2つあります。一つは、金萱と比べて挿し木の生存率が低く、新芽の数も少ないため、茶農家にとって手間のかかる茶の品種であり、同期である金萱の方がすぐに多くの茶農家に受け入れられました。一方、製茶師にとって、翠玉を包種茶や烏龍茶にすると香りが非常に高く、美味しいものになりますが、その高い香りを引き出して美味しく仕上げるのは難しいと言われています。そのため、栽培量も次第に減少しています。

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日本の和紅茶と同じく、台湾でも様々な中国種(Camellia sinensis、台湾国内では小葉種と呼ばれ、アッサム種(Camellia Assamica)とも呼ばれ、台湾国内では大葉種とも呼ばれます)を紅茶にする試みが各地で行われています。中国種はアッサム種と比べて葉が小さく、寒冷地での栽培に適しており、発酵の進行もより遅いため、緑茶や烏龍茶の製造に向いているとされています。しかし、近年では青心烏龍種や金萱種なども頻繁に紅茶に加工され、翠玉のように生産量が極めて少ない品種であっても紅茶に仕立てる試みが行われています。

発酵中の金セン紅茶
紅茶に製茶中(発酵)の金セン紅茶

今回は、宜蘭冬山のお茶について紹介します。宜蘭冬山は標高が高くない地域で、農業部から紅茶の製造も推奨されています。農業部主催の全国紅茶大会が宜蘭冬山で開催されるほど、その地域では力を入れています。


美味しい翠玉の包種茶を一度飲んだら、口に広がる香りを忘れることがありません。だからこそ、私は常に美味しい翠玉茶を探しています。何度も紹介している花間茶語さんから、今年の紅茶大賞に参加する前に、翠玉紅茶を試飲させていただきました。その味わいは非常にまろやかで、鼻の奥に広がる白いお花の香りが感じられます。これからの季節は紅茶が美味しい時期であり、これが秋のお菓子とも素晴らしく合いそうな気がします。

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通常、翠玉茶は生産量が少ないため、同じ標高や種類の他のお茶と比較してやや高価です。また、翠玉紅茶を見つけるのも他のお茶と比べて難しいことがあります。この珍しい翠玉紅茶をぜひお試しいただき、皆様にご紹介したいと考えています。

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〜宜蘭茶の豆知識〜

宜蘭で生産されるお茶の外観や形状は、文山包種茶のような長い条型の茶葉と高山茶のような球形の茶葉の中間に位置し、一般的に「半球型」と呼ばれています。俗には「蝦米型」とも言われており、これは茶葉の形状が干し海老に似ていることを指します。この地域特有の茶葉の形状であり、宜蘭茶の特徴の一つとなっています。球型のように真空包装にしても折れないが、球型よりも早く開き、時短で抽出できます。


市場ではあまり多く見かけないかもしれませんが、次に半球型の茶葉を見かけた際には、それが宜蘭産であるかどうかを尋ねてみてください。意外なことに、プロの茶評価者にも見られるかもしれませんよ。


香り&味わい|ジャスミン、ギンコウボク、生姜の葉、ヤシの花

作り方|萎凋、揉捻、全発酵まで追加発酵、乾燥

産地|宜蘭冬山

農園|花間茶語

品種|翠玉(台茶13号)

標高|100m 発酵|100% 焙煎|10%

生産時期|5月~7月


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・台湾茶|冬山翠玉紅茶

翠玉、または台茶13号とも呼ばれ、茶業改良場が1981年に発表した新しい品種です。この紅茶は、濃厚なジャスミンとギンコウボクの香りが特徴で、通常は包種茶や烏龍茶に加工されますが、今回は珍しい紅茶として紹介します。軽やかな包種茶と比較して、翠玉紅茶は大人しい味わいで、お花の香りが隠し味として現れ、ついうっとりしてしまうような中国種紅茶。


・伝統茶菓子|金少爺花生糖

宜蘭の砂地で栽培されたピーナッツから作られる伝統的なおやつです。その中でも「花生糖」(ホァーセンタン)は最も有名で、ピーナッツを水飴やカラメルで包み込んだタフィーのようなお菓子です。柔らかい飴の中にサクサクと香ばしいピーナッツが絶妙に組み合わさり、台湾茶の定番お菓子として愛されています。「金少爺」は宜蘭県の羅東にある創業162年の老舗であり、ここで作られる花生糖は県内で最も人気のある商品となっています。


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ちょっと台湾|セットの内容

A. 季節の台湾茶(5g×3袋)+今月号の月刊誌

B. 台湾茶(5g×3袋)+茶菓子(3つ)+今月号の月刊誌


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2023年3月から、AとBのいずれも税込み・送料込みで提供され、今月号の中には説明書も含まれています。この説明書には台湾茶の紹介、産地の物語、知識やレシピ、淹れ方動画へのQRコード、ちょっと台湾の音などが掲載されています。


「ちょっと台湾の音」とは、台湾茶と茶菓子を楽しみながら、BGMとして流すことで「今、台湾にいる!」という体験を提供する音楽プレイリストです。台湾各地で録音された音や伝統的な台湾音楽が含まれており、不定期に新しい曲が追加されています。


募集締切は10月20日までです。お待ちしております!


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これから台湾茶の世界へ踏み出す人から、すでにお茶を扱うプロまで、台湾茶を包括的に知るための決定版です。

書名:台湾茶の教科書 現地のエキスパートが教える本場の知識

著者:林品君

発売日:2025年9月

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定価:2,750円(10%税込)

ISBN:978-4-7661-4085-9

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紀伊國屋書店 https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784766140859

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