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執筆者の写真Pin-chun Lin

ちょっと台湾4月号では、四季春茶を紹介します



台湾は3月中旬になってから急に暖かくなり、植物もグッと成長してきました。


日本茶と違って、台湾茶は年中4回(以上)採れるようになっています。昔は、冬茶と春茶がメインの収穫・製作の時期でしたが、ウンカに噛まれた東方美人や蜜香紅茶などが人気になり、虫の繁殖期の夏でも美味しいお茶ができます。



さらに秋のお茶や冬と春の間に採れた稀少な冬片なども、茶木から年3回〜5回茶葉が採れ、違う季節から異なった風味がするお茶ができます。それで品種と作り方(発酵、焙煎のレベル)によってまた無限なる組み合わせが出て来ます。

(この間お茶屋さんで栽培の話をして、「日本茶は年に一回しか採らないので樹齢100年の茶木が多いが、台湾は少なくとも年3回取るから樹齢30年でもうダメだ」という話をしてたら、台湾の茶木がかわいそうに思いちょっと悲しんでいました😞)




台湾茶の中でも「春茶」が一番品質が良いと言われ、お茶マニアの多くが大量にお茶を入荷する時期なのです。春茶を採る確実な日は、毎年の気温や成長の状況で日にちが違ってくるが、一般的には「清明」(4月5日あたりで二十四節気の中で春分の次が清明です)を過ぎてからが春茶の生産季節に入ります(茶農家が一年の中で一番忙しい季節)。11月の冬茶の季節が終わったら茶木は翌年の春まで休眠に入ります。したがって、12月〜3月はほとんど茶農家の閑散期なのですが、例外として「冬片」や「明前茶」という物があります。


「冬片」とは、冬茶の季節が終わり、茶木が休眠中の間に生えてくる貴重な茶葉で作った極少量のお茶である。寒い冬の間に、少し暖かい日になれば茶木が春だと勘違いして新芽を伸びますので、毎年作れるお茶ではありません(ここでまたせっかくの新芽がすぐに茶農家に摘まれてしまう茶木がかわいそうと思いました笑)。また、成長の早い品種の方が、冬片が出やすいとのことだそうです。そして冬がもうすぐ終わり、清明の前に作られるお茶は「明前茶」と呼びます。通常より少し早く暖かくなった年には明前茶が作られ、これもまた毎年作れる物ではないのですが、温暖化により狂った気候の状況が増えてこう言った希少なお茶の量も増えてきている気がしますが…。


Photo: 小茶米農場

さて、「ちょっと台湾|毎月の台湾茶Me Time」4月号では、四季春の冬片茶と澎湖花生酥(サクサクピーナッツお菓子)をご紹介致します。四季春とは茶木の品種の名前であり、台湾の茶木の品種の中では最も成長が速くて強い品種なのです。成長が速く一年中採れることで四季春という名前が付けられました。産量が大きく、タピオカドリンクバーでもよく四季春のドリンクが見えます。今回は、南投の名間という町の小茶米農場の4代目茶農家、連晏瑩さんから冬片を仕入れました。連さんは、2020年日月潭紅茶コンテストにて、山茶組の一等賞を取ったお茶の達人ですが、私が初めて彼のお茶を飲んだのは、手頃な値段で毎日飲めるような紅烏龍を見つけた時から、大ファンになりました。一等賞を取ったお茶は当然とても高価(150gで13000元)だが、より多くの人々にお茶の良さを知ってもらうように、いつでも気軽に飲める手頃なお茶やティーバッグなどの開発も進めており、バリエーションをできるだけ多くして、私にとってすごく尊敬する人です。「春茶がまだ作られていないから、3月下旬に準備する4月号はどうすれば良いのかな〜」と悩んだ時に、「とても品質が良く、値段もそんなに高くない四季春の冬片を作ったから試してみない?」と連さんに薦められました。四季春の香りは、少し青い匂いの入っている野の花の匂いがして、(お花が入ってないのにお花の匂いがする)台湾茶の特徴をよく出しています。今回四季春を試飲していた時に、さらに今まで一番美味しい鉄観音も飲ませてくれました。今までにないような、焙煎の強くない、鉄観音という品種の本当の香りが口の中に広がり、自分の中の鉄観音のイメージを壊しました(良い意味で、悪いイメージを壊しました笑)。台湾茶って、やっぱり深いな、といつも思います。


Photo: 小茶米農場

今回のお菓子はレトロパッケージが付いている澎湖(ポンフー)花生酥で、ピーナッツバターを固めたようなお菓子で濃厚で素朴な味がします。ピーナッツで作られた茶菓子は、台湾ではすごく一般的なのでこれからもピーナッツの出番が多そうですね。


ちょっと台湾|毎月の台湾茶Me Time 4月号の応募は下記リンクより、3月31日までの募集となります。ではお楽しみに!



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